単位・授業、どうする?
履修登録のスケジュール・必修と選択の違い・GPAの仕組みと使い場・単位を落としたときの対処まで。大学の単位制度でつまずかないために、新入生が押さえておくべき基礎を一気にまとめました。
履修登録:いつ・何をするか
履修登録の期間は短く、ミスると1学期分の単位が丸ごと取れません。スケジュールを先に押さえましょう。
シラバス公開・履修ガイダンス
大学から履修ガイダンス(学部・学科ごと)の日程が告知される。シラバスが公開されるので、必修科目と興味のある科目を一通り確認しておく。
前期(春学期)履修登録
履修登録システム(Web)で時間割を確定。多くの大学で1〜2週間しか期間がない。期間内に登録しないとその学期は単位を取れない学部もあるので最優先で対応。
履修修正・追加期間
授業を実際に受けてみて「自分に合わない」「想定より重い」と感じたら、修正期間内に履修を変更できる。期間を過ぎると取消も追加も基本不可。
後期(秋学期)履修登録
前期と同じ流れを後期にも繰り返す。前期の成績を見てから後期の負荷を調整できるので、前期はあえて余裕を持たせるのも戦略の一つ。
履修登録忘れは即・単位ゼロ
履修登録をしないまま授業に出ても、その科目の単位は一切取れません。登録期間は1〜2週間しかなく、入学直後で忙しい時期と重なります。ガイダンスの日程と登録締切は必ずカレンダーに入れて、初日にシラバスを開く習慣をつけましょう。
単位の仕組み(必修・選択・卒業要件)
卒業に必要な単位は4年制大学で概ね124単位前後。その中身は「必修 / 選択必修 / 選択 / 教養」の4区分が一般的です。
必修科目
卒業のために必ず取らないといけない科目。落とすと翌年再履修になり、最悪の場合留年に直結する。
選択必修
指定されたグループの中から「N単位以上」取るタイプ。例:第二外国語の中からどれか1つ、専門基礎科目から4単位以上 等。
選択科目
卒業要件の総単位数の範囲で自由に選べる科目。興味分野を深掘りしたり、GPA稼ぎ・他学部聴講に活用できる。
教養(一般教育)
専門分野以外の幅広い教養を学ぶ科目。多くの大学で卒業までに一定単位の取得が必須。
学年別の単位取得ペース(目安)
卒業要件124単位を4年で均等に割ると31単位/年ですが、現実には1〜2年で前倒しして取るのが定石です。3〜4年はゼミ・卒論・就活で授業を入れにくくなるためです。
※ 学部・大学により変動。正確な数字は所属学部の「履修要項」「学生便覧」を確認してください。
GPAの仕組みと効く場面
GPA(Grade Point Average)は成績の平均点。奨学金・留学・進学・就活と、思った以上に多くの場面で見られます。
GPAの計算方法(4.0スケール)
一般的な4.0スケールでは、各科目の成績にポイントを割り当て、単位数で重みを付けて平均します。
| 成績評価 | 点数の目安 | グレードポイント |
|---|---|---|
| 秀(S / A+) | 90〜100点 | 4.0 |
| 優(A) | 80〜89点 | 3.0 |
| 良(B) | 70〜79点 | 2.0 |
| 可(C) | 60〜69点 | 1.0 |
| 不可(D / F) | 59点以下 | 0.0 |
※ 大学によっては5段階(5.0スケール)や独自の換算式を使う場合があります。所属大学の規定を確認してください。
奨学金の選考
日本学生支援機構(JASSO)の給付・貸与型ともに、継続採用にはGPAや成績順位が条件。民間奨学金はさらにGPA重視のものが多い。
交換留学・認定留学
ほぼ全ての交換留学プログラムにGPA下限がある(例:GPA 2.7以上、3.0以上)。1年次の成績で出願資格が決まるため早期から重要。
推薦入試・大学院進学
学部内推薦で大学院に進む場合、GPAが評価軸になる。研究室配属の希望順もGPAで決まる学部が多い。
就活(一部企業)
外資系・コンサル・総合商社など一部企業はESや面接でGPAを聞く。一般の日系大企業ではあまり重視されないが、ESに記入欄がある企業は対策しておくと安心。
GPAを下げないための3原則
- 「捨て科目」を作らない。0点を1つ含むだけで平均が大きく下がる
- 「合わない」と感じたら修正期間内にW(履修取消)で逃げる
- 難易度が読めない科目は1年次にまとめて挑戦し、データを集める
選択科目を落とすとGPAはどう下がる?
「選択科目だから、落としても別の科目で埋めればいい」——卒業要件についてはそのとおりです。ただしGPAだけは埋め直せません。
卒業要件は代替できる。GPAは代替できない
不可(F)は「履修しなかった」ではなく「0点を取った」という記録です。単位数はそのまま分母に算入されるため、他の選択科目で卒業単位を埋め直しても、GPAに刻まれた0点は消えません。奨学金の継続審査や交換留学の出願はこのGPAで判定されます。
GPA 3.00・20単位の1年生が、2単位の選択科目を落としたら
| ケース | その後のGPA | ひとこと |
|---|---|---|
| 修正期間内に履修取消(W)で逃げた | 3.00 | GPAには算入されない |
| 2単位の選択科目を1つ落とした(不可) | 2.73 | 0点として分母に算入される |
| 4単位ぶん落とした(不可) | 2.50 | 落とした単位数に比例して重くなる |
| 同じ2単位を、100単位まで進んだ4年次に落とした | 2.94 | 母数が大きいほど下げ幅は小さい |
同じ2単位でも、早い学年で落とすほど痛いのが分かります。分母が小さいうちは1科目の重みが大きいためです。1年次の「とりあえず取った科目」を放置するリスクはここにあります。
※ 4.0スケールの一般的な換算での試算です。この表の数値はGPA計算機と同じ計算式で算出しています。
一度下がったGPAは、想像よりずっと戻らない
上の「2単位を落として2.73になった」状態から取り返す場合、優(GP 3.0)をいくら積んでも3.00には二度と戻りません。積むほど3.00に近づきますが、決して届かないためです(3.0で薄めても平均は3.0を超えない)。
- 優(3.0)だけで 2.90 まで戻すのに 38単位必要(=おおよそ1年分の履修)
- 秀(4.0)が取れるなら 6単位で 3.00 に復帰できる
だからこそ「落としそう」と気づいた時点の判断が効きます。修正期間内であれば履修取消(W)はGPAに算入されません。取消は卒業単位が減るという別のコストを伴うので、残り単位に余裕があるかとセットで判断してください。
「不可を分母に含めるか」は大学によって違う
ここまでは不可を分母に算入する前提で計算しました。これが最も一般的ですが、大学や指標によっては不可を分母から除く規定を持つ場合があります(東京大学の成績評価係数のように、公式資料の中でも記載が分かれている例もあります)。ProofLoopのGPA計算機はこの切替に対応しているので、自分の大学の規定に合わせて試せます。
自分の数字で試す(GPA計算機)単位を落としたら:再履修・再試験・留年
単位を落とすこと自体は珍しくありません。問題は「落としたあとの動き」。早く動けば留年は十分回避できます。
再履修(次年度に取り直す)
最も一般的な対応。同じ科目を翌年度(または翌学期)にもう一度受講する。時間割が他の科目とかぶると詰むので、必修を落とした場合は即時のリカバリ計画が必要。
追試・再試験
大学・科目によっては落単者向けの再試験を実施。ただし対象は「出席要件は満たしたが点数が足りない」ケース限定が多い。出席不足は再試験対象外になることが多いので注意。
代替科目で要件を埋める
選択科目を落とした場合は、別の選択科目で卒業要件を埋めることも可能。必修・選択必修は代替不可なので再履修一択。
進級・留年の判定
学部によっては「進級要件」が別途設定され、必修を落とすと2年に上がれない(医・歯・薬・理工系で多い)。学部の便覧で進級要件を必ず確認しておく。
「進級要件」がある学部は要注意
医・歯・薬・理工系などの一部学部では、卒業要件とは別に「進級要件」が課されています。例えば「2年次に進級するには1年次の必修を全て取得していること」など。1単位足りないだけで丸1年留年するケースもあるため、入学直後に学生便覧で進級要件を必ず確認しておきましょう。
失敗しない履修のコツ
1限・5限を入れすぎない
1限は朝の遅刻で出席率が落ちやすく、5限以降はバイト・サークルとの両立が難しい。やむを得ず入れる場合は週1〜2コマに留めるのが無難。
空きコマを2コマ以上連続で作らない
空きコマが3〜4コマ連続すると拘束時間ばかり伸びて消耗する。可能なら連続させる、または午前/午後で固める時間割を意識する。
シラバスは「評価方法」と「出席要件」を必ず見る
シラバスには「期末試験50%、レポート30%、出席20%」等の評価配分が書かれている。出席要件(2/3以上等)も明記されているので、サボれる科目かを事前に判断できる。
先輩・同期に評判を聞く
「単位が取りやすい」「課題が多い」「テストが厳しい」などの実情はシラバスに書かれない。先輩のリアルな評判が最も信頼できる情報源。ProofLoopの授業情報機能(準備中)で今後一覧化予定。
よくある質問
選択科目を落としても卒業できますか?
卒業要件だけを見れば、選択科目は別の選択科目で単位を埋め直せるので卒業自体は可能です。ただし成績証明書に残った不可(F)はGPAに0点として算入され続けます。「卒業要件は代替できるが、GPAは代替できない」という非対称が、選択科目を落とすことの本当のコストです。必修・選択必修は代替そのものができないため、再履修一択になります。
落とした科目を再履修して合格したら、GPAは元に戻りますか?
大学によって扱いが分かれます。再履修の成績で上書きして元の不可をGPA計算から外す大学と、不可と合格の両方を成績証明書に残して両方をGPAに算入する大学があります。後者の場合、再履修で合格してもGPAは完全には戻りません。所属大学の履修要項で「再履修」「成績の上書き」の項目を必ず確認してください。
卒業には何単位必要ですか?
学部・大学によりますが、4年制大学の学士課程は概ね124単位前後が標準です(大学設置基準)。学部によっては140単位以上必要な場合や、必修科目の比率が高い場合があります。正確な数字は所属学部の「履修要項」「学生便覧」を必ず確認してください。
GPAは本当に就活で見られますか?
業界によります。日系大手の総合職ではあまり見られないことが多い一方、外資系・コンサル・総合商社・金融の一部・研究職などはES記入や面接で聞かれることがあります。「業界によっては評価対象になる」と認識して、極端に下げない(2.5未満を避ける)程度を意識すれば十分です。
必修を落としたらどうなりますか?
翌年度に同じ授業を再履修するのが基本です。問題は「必修同士の時間割がかぶる」ケース。例えば1年必修と2年必修が同じ曜日・時限だと片方しか取れず、留年や卒業延期に直結します。落とした瞬間にリカバリの時間割を確認しましょう。
履修登録の修正期間を過ぎてしまいました。どうすれば?
原則として追加・取消はできません。ただし大学事務局に相談すると、システム障害や手続き不備など特殊事情で個別対応してくれることもあります。早めに教務課に相談を。「とりあえず取った科目」を放置すると不可(落単)になり、GPAが下がるので、出席して単位を取りに行くのが現実的です。
単位互換とは何ですか?留学に使えますか?
単位互換は「他大学(海外含む)で取った単位を、所属大学の卒業単位として認定する制度」です。交換留学・認定留学・国内単位互換協定校への聴講などで使えます。ただし認定される科目数や種類に上限があるので、留学前に教務課で必ず確認してください。
W(履修取消)と F(不可・落単)の違いは?
W(withdrawal、履修取消)は履修自体をキャンセルする扱いで、成績証明書に「W」と記載されGPA計算には含まれません。F(不可)は履修したけど合格点に達しなかった成績で、GPAに0点として算入されます。途中で「単位取れなさそう」と判断したら、修正期間内にWで取り消した方がGPAは守れます(取消期限は大学による)。
授業の評判は ProofLoop で
シラバスに書かれない「単位の取りやすさ」「課題の重さ」「テストの傾向」を、先輩の口コミと過去の履修者データで可視化する授業情報機能を準備中。リリース時にお知らせします。